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2017年税務リスクと税務係争に関する調査 シリーズ4 
企業における税務機能の最適化

TPC調査

2017年税務リスクと税務係争に関する調査シリーズ4では、急速に進化し、デジタル化が進む税務環境に対するリスク・マネジメントに企業がどのように取り組んでいるかについて、さらに掘り下げ追求しています。デジタル・ツールを活用し、税務機能のすべて、又はその一部をアウトソーシングすることによってどう貴社を「輝かせるか」について解説しています。

今日直面している税務機能における課題

税務リスク管理は、これまでは数字を正しく合わせるという単純な作業でしたが、今日ではより高いリスクが伴うようになりました。最近のターゲットを絞った執行の精密性、問題や関与当局の数の多さなどによって、要求に応じるための適切なリソースや回答を出すための適切なテクノロジーを持つ必要がある、という税務機能に対するプレッシャーがさらに増大しています。非効率な税務プロセスや税務管理のままでは、非順守に対する罰金や評判の損失など、企業にとって憂慮すべき結果を招くことになりかねません。

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TPC4
企業は、さらなる透明性、リアルタイムなコンプライアンス、説明義務が求められる世界の税務環境に自社の税務機能を適応させる措置を講じ始めています。事実、69の国・地域で税務・財務に関与する経営幹部901名を対象にしたEYの2017年税務リスクと税務係争に関する調査では、「グローバル税務コンプライアンスと報告(GCR: global tax compliance and reporting)」の効果性・効率性が、今後2年間における運営と管理における最重点領域として位置付けられました(加重ベース)。前回の調査と比較すると著しく対照的な結果であったといえます。

「税務担当にとっては何年もの間、実効税率(ETR)を重視することが第一優先事項でした。今年度の調査の結果、ETRはGCR(グローバルな税務コンプライアンスと報告)、キャッシュフロー・資金還流、税務調査・係争管理に次ぐ4位に位置付けられました。このことから、企業は自身の最終的な利益に税金がもたらす影響よりも、税務管理における本質的な要素に重点を置くようになったことが伺えます」
 - ロブ・ハンソン EYグローバル 税務係争リーダー

取るべき対応

1. デジタル面の格差をなくす

税務機能は一般的に、ここ数年、税務行政から遅れを取っており、新テクノロジーに投資しない者にとってはデジタル面の格差が急激にリスクを増大しています。企業のニーズに合うようにカスタマイズすることができるデジタル・ツールは幅広く存在します。
これらツールには、例えばロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、AI、ブロックチェーン、クラウドソリューション、データレイクの開発、ビジネスインテリジェンスの革新があります。税務申告義務以上の機能を備えたアプリケーションが整備され、税務機能のデータを使ってビジネス全体に渡る深い考察や改善を可能にしています。

2. 税務運営モデルを再構築 する際に、「業界におけるベスト」と「コスト面でのベスト」の両方を実現できる方法を決定する

近代的な税務機能を構築するには投資にコストがかかり、また単純な技術上の改善だけでなく、それ以外についても細心の注意を払うことが求められます。企業は適切なスキルを持った適切な人材を、適切な場所に配置する必要があります。
これを達成するために、企業は自身の現行の税務機能を見直し、次に自身の理想的な運営モデルの目標を決定しなければなりません。この分析の一環として、企業は自身のどのような事業活動を「業界におけるベスト」であり、「コスト面でベスト」な活動とするかを決定し、さらに、データやテクノロジーに関する包括的なプランを策定しておく必要もあります。

3. 税務にかかわる係争を防止・管理し、解決可能な運営モデルを効率的に、また費用対効果を維持しつつ構築する

急速に変化する今日の環境下で、係争が生じる可能性のある領域をタイムリーに特定し、可能な限り迅速に問題を解決する(あるいは、少なくとも問題の範囲を狭くする)ために、企業にとってはグローバルレベルの積極的な税務管理アプローチを採用することが必要不可欠です。

調査や監査の影響を最小限にするため、企業は現行のプロセスや管理方法を見直し、あらゆる弱点を特定し、それを改善するためのプランを策定しなければなりません。さらに、データの正確性と一貫性を可能な限り改善するためには適切なテクノロジーとデジタル・ツールへの投資が必要となります。

結論

企業への課税を取り巻く諸問題は、ここ数年間にわたり世間の厳しい注目の的になり、EYの調査では、企業がこうしたことから逃れようと尽力しているのがわかります。 技術の急速な発展や、これまでに見られることのなかった多国籍企業の躍進は、税務上のルールを根本的、恒久的に変えてしまったようです。 かつては納税申告後、早くとも数カ月後にしか発生していなかった係争が、今では税務申告書そのものが存在しなくなり、リアルタイムで係争が起こるような未来へと突き進んでいます。


シリーズ4の調査レポートをPDFでDownload (1.3MB)


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