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米国税制改革下院法案「The Tax Cuts and Jobs Act」

US tax alert 2017年11月2日号

2017年11月2日、予定より一日遅れて、米国税制改革「The Tax Cuts and Jobs Act」の法文原案が下院歳入委員会により公表されました。大綱から予想されていたよりも多岐にわたる規定が盛り込まれており、特に大手多国籍企業に適用される「支払利息の損金算入の追加規定」及び「米国外関連者への特定支出に対するペナルティ課税」について、潜在的に日本企業の米国課税に大きな影響を持つ可能性があります。

原案には429ページに及ぶ多くの法改正が含まれているため、以下の概要はあくまでもご参考までにご一読ください。今後も詳細な分析を進める過程で、適宜、情報提供させていただく予定です。なお、下院の法文原案は今後下院で審議が行われ、上院は、別途、独自の法文原案を来週にも公表すると言われております。そのため、必ずしも以下の内容がそのまま法律として可決するかどうかは確定ではありませんので予めご了承ください。

法人税及び事業活動に対する課税

  • 個人オーナーが自営業・パススルー主体経由で認識する事業所得は25%課税(人的役務に基づく事業は対象外)
  • 法人税率20%
  • AMT撤廃
  • 2017年9月28日から2022年末までに取得される特定事業資産の100%初年度償却
    • 納税者にとって新規取得であれば中古資産も対象
  • 2018年及び2018年以降の課税年度に発生するNOL繰越期限廃止・繰戻撤廃(小規模事業・災害損失免除あり)
    • NOL使用額は繰越年度の課税所得90%上限
    • NOL繰越額は「短期AFR+4%」で毎期増額(2018年時点で過去から存在するNOLにも適用)
  • R&D及び低所得者住宅税額控除温存
    • 米国製造者控除(Section 199)を含む多くの他の恩典は撤廃
    • エネジー関係一部クレジット温存
  • ネット支払利息損金算入制限(小規模事業免除、不動産・ユーティリティー業免除あり)
    • Adjusted Taxable Income(EBITDAに相当)の30%を超えるネット支払利息損金不算入
    • 損金不算入額は5年繰越可
    • 既存のアーニングス・ストリッピング規定(163(j))は撤廃
  • 多国籍企業のネット支払利息損金算入制限(グループ売上が1億米ドル(3年平均)以下のグループは対象外)
    • 全世界グループネット支払利息(会計ベース)をEBITDAレシオで米国法人に配賦
    • 米国法人ネット支払利息(会計ベース)と上の米国法人配賦額のレシオで損金算入可能%算定(100%上限)
    • 米国法人ネット支払利息(米国税務ベース)の110%に損金算入可能%を乗じた金額が損金算入額上限
    • 前述のキャッシュベースEBITDA30%制限と比較し制限額が大きい方の規定を適用
    • 損金不算入額は5年繰越可

国際課税

  • 海外子会社(10%以上投資先)からの配当非課税(テリトリアル課税制度)
  • 未配当原資累積額(2017年11月2日又は12月31日時点どちらか大きな額)に一括課税
    • 12%(事業資産に再投資されているケースは5%)
    • 8年間の分割納付可能
    • 部分的に外国税額控除あり
  • 海外子会社(50%超投資先)の高収益所得に対して米国株主側で即時課税
    • 課税部分に対応する外国法人税80%を上限に外国税額控除あり
  • 米国法人(又は外国法人の米国支店)が米国外関連会社に行う「特定支出」に法人最高税率(法改正後は20%)でペナルティー課税(特定支出が$100M以下(3年平均)のケースは免除)
    • 特定支出には費用項目ばかりでなく資産取得コストも含まれる(支払利息及びコモディティ取得コストは対象外)
    • 受け手の外国法人がECIとして申告している金額は対象外
    • 30%源泉税対象となる支出は対象外
      • 条約で源泉税が低減されている場合には低減相当分額が特定支出扱い
    • 法人税算定目的で損金不算入
    • 外国法人が特定支出を米国事業所得(ECI)として申告課税扱いする選択可能(費用実額は損金不算入だが経費相当みなし額の控除あり)
      • 当選択下では特定支出は「みなしPE」に帰属すると扱われるため条約適用不可
      • 経費相当みなし額は該当製品ラインの全世界グループの会計上利益率(金利・税金前)を基に算定
    • 2019年1月1日及びそれ以降の支出に適用

個人所得税

  • 現状の7税率区分を12%、25%、35%、39.6%の4区分に簡素化
    • キャピタルゲイン及び適格配当の低税率はそのまま
  • 標準控除額を独身申告12,000米ドル、夫婦合算申告24,000米ドルと倍増
  • 住宅ローン金利個別控除を500,000米ドル新規取得物件に対するものに限定
  • 不動産・動産税個別控除は10,000米ドルを上限に温存
  • 慈善団体への寄付金個別控除温存
  • 人的控除撤廃
  • 子女税額控除を一人当り1,600米ドルに増額
  • 子女以外の扶養家族税額控除300米ドル
  • 代替ミニマム税(AMT)を撤廃
  • 401(k)、IRA、を含む退職金プランは温存
  • 現存のその他控除撤廃

遺産税・Generation Skipping Transfer Tax

  • 非課税枠を増額した上で6年後に撤廃

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