EY税理士法人
ライブラリー

BEPS update
~中国、香港、欧州連合、アイルランド及びフランス~

Japan tax alert 2018年1月26日号
本BEPS updateでは、EYグローバルから発行されているタックス アラートから各国のBEPS最新情報を抜粋してお知らせします。なお、各国の詳細情報については、英語の原文を参照ください。

中国

2017年12月19日、中国の国家税務総局は、国別報告書に関する事項を明確にする公告2017年第46号(以下、「46号公告」)を公布しました。46号公告では、多国間税務行政執行共助条約(以下、「同条約」)が2017年1月1日より発効したことが確認されています。

同条約と中国が以前に発表した国別報告書ルール(関連者間取引申告及び同時文書化の管理の整備に関する公告(公告2016年第42号))を効果的に統合するため、46号公告では、国別報告書の二次的報告ルールは2016年度には適用せず、中国税務当局が、2016年度を対象とした税務調査において、非中国系多国籍企業グループの構成事業体に対し、国別報告書の提出を求めることはないことが明確にされました。46号公告は、ローカルファイルとマスターファイルの作成及び提出には影響しません。

香港

2017年12月29日、香港政府は、移転価格に関する原則の成文化、移転価格文書化に対する3層構造アプローチの導入、並びに事前確認(APA)制度の提供を目的とした法案を発表しました。同法案では、BEPS行動7における提言に従って、租税条約を締結していない国の居住者に対するPEルールが採用されており、BEPSミニマムスタンダードの範囲を超える内容も含まれています。香港と租税条約を締結している国の居住者は、引き続き該当する租税条約におけるPEルールに依拠することになります。

同法案はまた、法的な紛争解決メカニズムの導入、現在の税額控除制度の強化、現行の優遇税制におけるリングフェンシング制度の廃止、特定の優遇税制に対するOECDの実質活動要件の導入等のBEPSミニマムスタンダードを実施するための規定も定めています。

同法案は、第一読会及び審議にかけるため、香港立法会に提出されました。発効日は各規則によって異なり、国別報告書については2018年1月1日以降に開始する会計年度、マスターファイル、ローカルファイル及びAPAについては2018年4月1日以降に開始する会計年度、内国歳入法に基づく利得税については2018年4月1日以降に開始する課税年度となっています。事前確認制度に関する改正事項は、法案が成立した時点で適用開始となります。

詳細:Hong Kong introduces tax and transfer pricing legislation to counter Base Erosion and Profit Shifting, dated 5 January 2018(英語)

欧州連合

2017年12月20日、欧州連合司法裁判所は、ドイツの所得税法第50d節第3項に定められている租税条約の濫用防止規定(旧規定)の適用に関係するC-504/16事案(Deister Holding AG)及びC-613/16事案(Juhler Holding A/S)について、判決を下しました。判決では、当該規定は、EU親子会社指令及び事業設立の自由(freedom of establishment)に反するとされました。特に、外国企業の資産運用自体が濫用的な事例を示すものではないという事実、並びに外国企業の介在に対する正当な事業上の理由はグループの観点から評価する必要があるという事実を鑑みても、現在のドイツの租税条約の濫用防止規定は多くの場合に適用できない、としています。今回の判決は、EU加盟国がBEPS行動6の主要目的テストをどのように解釈して適用するかにも影響を及ぼす可能性があります。

詳細:CJEU rules German anti-treaty shopping rule infringes Parent-Subsidiary Directive and freedom of establishment, dated on 21 December 2017(英語)

アイルランド

2017年12月19日、アイルランド歳入庁は、国別報告書に関するeBriefNo.117/17を発表しました。同eBriefによれば、2016年に終了した事業年度の国別報告書またはそれに相当する報告書を受領するための電子提出システムを開設したとのことです。電子提出システムは2018年2月28日まで利用可能です。また歳入庁は、国別報告書に関するFAQを更新し、段階的な提出手順を含めました。

2017年12月25日、2017年財政法がアイルランド大統領の署名を経て成立しました。2017年財政法の一部として、OECDの「租税条約関連措置を実施するための多数国間条約(MLI)」が批准され、アイルランド法に取り入れられます。

フランス

フランスの2018年度財政法案が2017年12月21日にフランス議会で承認され、2017年12月31日に官報で公表されました。財政法案には、フランスの移転価格文書化要件をOECDのBEPS行動13の勧告(移転価格文書化及び国別報告書)に一致させる改正事項が盛り込まれています。

具体的には、OECDのBEPS行動13では、多国籍企業グループが移転価格文書において追加情報を開示することが推奨されており、グループに関する一般情報(マスターファイル)及びグループに属する各納税主体のより詳細な情報(ローカルファイル)の開示のための標準化されたフォーマットが提案されています。

詳細:France aligns transfer pricing documentation requirements with OECD Action 13 Master File and Local File, dated 9 January 2018(英語)


国別・行動計画別のBEPSデータベースへ(国別にアラート情報を検索可能です)


英語の全文アラートへ