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BEPS update
~オランダ、英国、アイルランド及び日本-ロシア ~

Japan tax alert 2017年10月5日号
本BEPS updateでは、EYグローバルから発行されているタックス アラートから各国のBEPS最新情報を抜粋してお知らせします。なお、各国の詳細情報については、英語の原文を参照ください。

オランダ

2017年9月19日、オランダ財務省は、2018年度予算案を公表しました。本予算案には2018年度税制改正案も含まれています。2018年度税制改正案には、2016年1月1日以降に開始する事業年度を対象に国別報告書を導入した国からの「自主的な提出」(「親会社による代理提出」としても知られています)を明示的に許可する法案も含まれています。その結果、多国籍企業グループが居住国において自主的に国別報告書を提出する場合、オランダ税務当局はオランダにおける提出を義務付けないとしています。今回の改正は、この点に関するOECD指針に準拠するものです。改正案は、現在オランダ議会で再検討、議論されているため、更に変更される可能性があります。改正案の採択における投票は、2017年11月16日に予定されており、採択された場合、2018年1月1日に施行される見通しです。

詳細:The Netherlands publishes 2018 Budget Proposals including changes to Dutch Dividend Withholding Tax Act, dated 19 September 2017(英語)

英国

2017年9月8日、英国政府は2017-2019年度財政法案を発表しました。今回発表された法案では、当初3月に発表された財政法案に含まれていたものの、6月に解散総選挙を行うと発表した後の4月下旬に削除された多くの税制措置が復活しています。例えば、利子損金算入制限に関する規則、損失控除(loss relief)に関する規則、実質的株式持分免税制度及びハイブリッド防止規定の改正など、2017-2019年度財政法案には、企業及び個人を対象とした多くの主要な税制措置が含まれています。また、税のデジタル化(Making Tax Digital)に関する法律も含まれています。法案の委員会審議は10月半ばに開始され、女王の裁可は11月の第1週または第2週になる見通しです。

詳細:UK publishes Autumn Finance Bill 2017, dated 11 September 2017(英語)

アイルランド

2017年9月12日、アイルランドの財務・公共支出改革相は、シェイマス・コフィー氏によるアイルランドの法人税法についての第三者報告書を公表しました。同レビューの付託事項には、法人税率12.5%の維持が明記されています。第三者レビューにおいて主要推奨事項として挙げられたのは、EU租税回避防止指令規定の国内法への導入、BEPS行動8-10における提言及び行動13の文書化要件の導入、無形資産に認められている税務上の減価償却費(及び関連する利息の損金算入)に対する年間80%の上限の再導入、国際的な紛争解決に対処するための歳入庁のリソースの強化などです。第三者レビューの推奨事項と調査結果は、アイルランド政府によって検討される予定です。また、2017年10月10日に2018年度予算が発表されますが、その後すぐに、2018年度における立法化の提案が発表される予定です。なお、コフィー氏の推奨事項の多くは中期的な変更に言及したものであるため、必ずしも2018年内に法制化されるとは限らないことに留意が必要です。

詳細:Ireland publishes Independent Review of Irish Corporate Tax Code, dated 14 September 2017(英語)

日本-ロシア

2017年9月7日、日本とロシアは、新日露租税条約に署名し、1986年に発効した現行の租税条約を全面的に改正しました。新条約には、BEPSプロジェクトにおける租税条約に関する多くの提言、すなわち行動2(ハイブリッド・ミスマッチ・アレンジメントの効果の無効化)、行動6(不適切な状況での租税条約の特典付与の防止)、行動7(恒久的施設(PE)認定の人為的回避の防止)及び行動14(紛争解決メカニズムの有効性向上)における提言が含まれています。

例えば、税務上透明性のある事業体についての規定が盛り込まれています。序文では、租税条約は、脱税又は租税回避を通じた二重非課税又は課税の軽減を生じさせるために利用されることを意図したものではないことを明確にしています。また、個人以外の者が日本とロシア両国の居住者である場合、両国の権限ある当局が居住者とみなされる締約国を、相互合意により決定するよう努めるとしています。新条約には、一定の条約上の特典に対する特典資格条項(Entitlement to Benefits)及び主要目的テストが含まれています。恒久的施設条項には、細分化防止規定及び代理人PEの新たな定義が含まれています。さらに、新条約により、納税者は締約国のいずれかの権限ある当局に対し、相互協議手続の対象となる事案を報告できるようになります。

日本とロシアの両国ともOECDの多国間協定に署名していますが、どちらの国も対象租税条約に新日露租税条約を含めていません。したがって、新条約が租税条約に関するBEPSのミニマムスタンダードを既に取り入れていることもあり、新条約が多国間協定によってさらに改正されることはないと思われます。

詳細:Japan signs revised income tax treaty with Russia, dated 14 September 2017(英語)


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