EY税理士法人
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BEPS update
~米国、メキシコ、韓国、アイルランド、ドイツ、スイス及びベルギー~

Japan tax alert 2017年8月16日号
本BEPS updateでは、EYグローバルから発行されているタックス アラートから各国のBEPS最新情報を抜粋してお知らせします。なお、各国の詳細情報については、英語の原文を参照ください。

米国

2017年7月21日、米国内国歳入庁(IRS)は、国別報告書の自動的交換のための当局間合意(Competent Authority Agreement、以下「CAA」)を米国と締結した国のリストに5カ国を追加し、CAAを締結した国の総数は17カ国になりました。新たに追加された国は、ベルギー、ブラジル、マン島、ジャマイカ、マルタです。IRSは、米国とCAAを締結した国の最新のリストをホームページに掲載しています。IRSは、現在、他の国ともCAAの締結に向けて交渉を進めており、締結に至った際にはホームページ上のリストを更新すると思われます。

詳細:US completes CbC competent authority arrangements with five additional countries, dated 31 July 2017(英語)

メキシコ

2017年6月7日、メキシコは、OECDがパリで主催した署名式典において、多数国間条約に署名しました。署名にあたり、メキシコは、他の国・地域と締結している租税条約で、対象租税条約として指定し、多数国間条約を通じての改定を希望する61の租税条約の一覧を提出しました。メキシコの61の租税条約には、現在有効な租税条約だけではなく、交渉、署名の終了後、批准、発効の段階に至っていない租税条約も含まれています。多数国間条約の規定は、両締約国が対象租税条約として一覧に記載した二国間租税条約のみに影響します。したがって、メキシコが一覧に記載した61の租税条約のうち、現時点では40超の租税条約が対象租税条約とみなされることになります。現時点において、米国等の一部の国は多数国間条約に署名していませんし、スイス等の一部の国は、メキシコとの租税条約を対象租税条約に含めていません。/p>

詳細:Mexico signs Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent BEPS, dated 17 July 2017(英語)

韓国

2017年6月7日、韓国は、他の67の国・地域と共に、OECDがパリで主催した署名式典において、多数国間条約に署名しました。署名にあたり、韓国 は、他の国・地域と締結している租税条約で、対象租税条約として指定し、多数国間条約を通じての改定を希望する63の租税条約の一覧を提出しました。韓国は、対象租税条約のリストとともに、多数国間条約の様々な規定に関する採択状況の暫定の一覧も提出しました。多数国間条約に係る批准、承諾または承認の証書が寄託されることにより、最終的な同条約の採択状況が確定となります。

詳細:Korea signs Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent BEPS, dated 26 July 2017(英語)

アイルランド

2017年6月7日、アイルランドは、他の67の国・地域と共に、OECDがパリで主催した署名式典において、多数国間条約に署名しました。署名に先立ち、アイルランド財務省は、多数国間条約の様々な条項についてのアイルランドのポジションペーパーを公表しました。予想された通り、アイルランドは多数国間条約の規定の大部分を採択しました。その中には、租税条約濫用防止のための主要目的テスト(PPT)や、税務紛争解決のための強制的・拘束的仲裁制度が含まれています。アイルランドが一部の条項に留保を付したことも注目すべきです。特に、アイルランドは、多数国間条約における恒久的施設(PE)に関する一部の規定の採択に消極的な姿勢を示しています。個々の留保事項は、実際には「条文ごと」の留保とみなされる必要があることに留意すべきです。アイルランドの留保事項や採択状況は、相手国の採択状況によって無効化する可能性があり、またその逆も有り得ます。

詳細:Ireland signs Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent BEPS, dated 17 July 2017(英語)

ドイツ

2017年7月11日、ドイツ財務省は、国別報告書の要件に関する正式なガイダンスを発表しました。納税者は、一定の要件に該当する場合、2015年12月31日より後に開始する事業年度を対象初年度として、国別報告書を作成しなければなりません。国別報告書の内容について、ガイダンスでは、OECDが指定しているXMLスキーマによる国別報告書を電子的に連邦税務局に提出するよう求めており、OECDのユーザーガイドを参照しています。また、納税者が英語による国別報告書を提出することも認めています。ガイダンスの付属書では、説明のみを目的として、ドイツ語による具体例が提示されています。

2017年7月19日、ドイツ連邦官報において、「文書化の種類、内容及び範囲に関する政令」(ドイツの移転価格文書化規則)の改定版が公示されました。改定版では、OECDのBEPS行動13における提言に基づき、移転価格文書化要件に3層構造アプローチ(マスターファイル、ローカルファイル及び国別報告書)を導入する法律が2016年の終わりに制定されたことを受けて、文書化要件に関する詳細なガイダンスを示しています。改定移転価格文書化規則は、直ちに発効し、対象初年度である2016年12月31日より後に開始する事業年度から適用されます。

スイス

2017年6月7日、スイスは、他の67の国・地域と共に、OECDがパリで主催した署名式典において、多数国間条約に署名しました。

署名にあたり、スイス は、対象租税条約として指定し、多数国間条約を通じての改定を希望する14の租税条約の一覧を提出しました。スイスは、対象租税条約のリストとともに、多数国間条約の様々な規定に関する採択状況の暫定の一覧も提出しました。多数国間条約に係る批准の証書が寄託されることにより、最終的な同条約の採択状況が確定となります。

スイスにおけるパブリックコンサルテーションは、2017年の終わりに開始すると発表されたことから、同条約の発効は2019年以降になると思われます。

詳細:Switzerland signs Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent BEPS, dated 10 July 2017(英語)

ベルギー

2017年7月20日、ベルギー連邦政府は、税務情報の強制的自動交換(クロスボーダー・ルーリング及び移転価格に関する取極めの交換)について、税務分野における行政協力に関する相互支援指令を改正する2015年12月8日付のEU指令(2015/2376)の導入、並びに国別報告書の交換に関連して、税務情報の強制的自動交換に関するEU指令(2011/16)を改正するEU指令(2016/881)の部分的導入についての法案を承認しました。改正指令は、2017年1月1日より遡及適用されます。

2017年上半期に発出されたクロスボーダー・ルーリング及び移転価格に関する取極めは、遅くとも2017年9月30日までに交換が行われます。2016年1月1日以降に開始する事業年度を対象とした最初の国別報告書は、事業年度終了の日から18カ月以内に交換が行われます。その後の国別報告書の交換は、遅くとも15カ月以内に行われます。2012年1月1日から2016年12月31日までの間に発出、更新、もしくは変更されたルーリング(2014年1月1日以降に有効であるもの)は、遅くとも2017年12月31日までに交換が行われます。


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