EY税理士法人
ライブラリー

BEPS update
~OECD、インド、台湾、ベトナム、欧州連合及びオーストラリア~

Japan tax alert 2017年7月21日号
本BEPS updateでは、EYグローバルから発行されているタックス アラートから各国のBEPS最新情報を抜粋してお知らせします。なお、各国の詳細情報については、英語の原文を参照ください。

OECD

2017年6月22日、国別報告書の自動的交換に関する権限ある当局による多国間合意に、さらに7カ国が追加で署名をしました。今回署名した国は、ベリーズ、ケイマン諸島、コロンビア、ハイチ、パキスタン、シンガポール、タークス・カイコス諸島です。署名は、2017年6月21日及び22日に開催された第3回目のBEPS包摂的枠組みに関する会合の式典において行われました。これにより、現時点で64カ国が署名をしたことになります。

インド

2017年インド財政法において、移転価格に係る二次調整の規定がインド税法に導入されました。本規定の目的は、関連企業間の利益配分と移転価格に係る一次調整との整合性を確実にすることにあります。本規定の下では、課税所得の増加もしくは損失の減少をもたらす一次調整、又は予め規定された特定の場合における一次調整による差額は、所定の期間内にインドに送金されなければなりません。予め規定された場合における一時調整とは、納税者による自主的調整、納税者が受け入れた税務調査による調整、並びに事前確認制度(APA)、セーフハーバールールもしくは相互協議手続上の解決に基づく調整です。インドに送金されない金額は、納税者から関連企業への前渡金とみなされ、当該前渡金に係る利子が所定の方法により算定されます。インド税務当局は、2017年6月15日付通達により、本規定の導入を後押しするための規則を発表しました。同規則によれば、調整金額の送金期限は90日以内と定められています。また、期限内に送金しない場合は毎年利子が発生し、利率については、取引がインドルピーによるものか外国通貨によるものかによって異なるとしています。通達では、2016-17年度から本規定が適用されることも明らかにされました。

詳細:India Tax Authority issues rules for implementing secondary transfer pricing adjustment provision, dated 21 June 2017(英語)

台湾

2017年6月6日、台湾の財務省は、2016年11月9日に発表した被支配外国法人(CFC)に関する規則案を明確にする通達を発出しました。通達では、実質的支配の定義を、CFCの人事、財務、管理方針等のCFCの管理上の意思決定について重要な影響力を行使することとしています。通達では、外国子会社のCFC認定を行う際に、CFCの事業年度終了日の持株比率ではなく、CFCの事業年度中において最も高い持株比率を用いることを提案しています。また、低税率国・地域の基準として用いられる11.9%が法定税率であることも確認されています。

昨年発表された規則案は、台湾企業に対し、CFCの所得を実証するため、CFCが所在する国・地域の公認会計士による監査を受けたCFCの財務諸表を台湾の税務申告書に添付することを義務付けるものでした。通達によれば、監査を受けていない財務諸表及びそれに類する書類でも、他の方法によりその正確性が確認され、かつ現地の税務当局が承認もしくは認定している場合は、受け入れるとのことです。

詳細:Taiwan issues a draft amendment to controlled foreign company rules, dated 27 June 2017(英語)

ベトナム

2017年4月28日、ベトナム財務省は、関連者間取引を有する企業の税務管理に関する移転価格政令20号における多くの条項の導入について、ガイダンスを示す省令41号を公布しました。省令41号は、関連者間取引に関する情報を報告するための所定の書式の作成、国別報告書の提出に関連するベトナム納税者の義務、並びに複数の単純な機能を果たす納税者に適用されるセーフハーバールールについて、より詳細なガイダンスを示しています。二つ以上の多国籍企業(MNE)グループに属する構成事業体は、国別報告書の目的上、各MNEグループの国別報告書を保持する必要があることを省令41号が明らかにしたことは注目に値します。ただし、構成事業体は、税務調査や移転価格調査において税務当局から要請を受けた場合のみ、国別報告書を含む移転価格文書を15営業日以内提出する義務があります。また、構成事業体が特定の報告対象事業年度の国別報告書の写しを提出できない場合は、説明状と共に、前年度の国別報告書を移転価格文書に同封して提出しなければなりません。構成事業体が当年度と前年度のいずれの国別報告書も提出できない場合は、その理由を説明する書状を移転価格文書に同封しなければなりません。省令41号は、2017年5月1日に施行されました。

欧州連合

2017年6月21日、欧州委員会は、報告対象クロスボーダー・アレンジメントに係る税務情報の強制的自動交換に関するEU指令(2011/16/EU)を改正する理事会指令案を公表しました。改正案は、EUの税務コンサルタント、銀行、弁護士及びその他の仲介業者に対し、1つ以上の「ホールマーク」(特質)を有し、かつ幾分不明瞭であるメインベネフィットテストを満たす全てのクロスボーダー・アレンジメントの開示を義務付けるものです。ホールマークには、他の開示制度で用いられている守秘義務や成功報酬に係るホールマークだけではなく、様々な理由で受領国では全額が課税対象とならない損金算入可能なクロースボーダーの支払いや、租税債務を減少させるための欠損金の利用等のホールマークも含まれます。仲介業者がEU域外に所在する場合や、法により情報を開示できない場合(職業上の守秘義務や法律専門家の特権等)、開示義務は納税者に移転されます。当該義務を怠った場合の適切なペナルティは、国内法により定められる予定です。この新たな報告要件は、2019年1月1日に発効する見通しであり、それ以降は、EU加盟国は3カ月ごとの情報交換が義務付けられます。

詳細:European Commission proposes new transparency rules for intermediaries, dated 22 June 2017(英語)

オーストラリア

2017年6月7日、オーストラリアは、他の66の国・地域と共に、多数国間条約の署名式典に参加しました。多数国間条約により、二国間租税条約の既存のネットワークを更新するための租税条約関連措置を実施するプロセスが開始することになります。

署名にあたり、オーストラリアは、他の国・地域と締結している租税条約で、対象租税条約(CTA)として指定を希望する43の租税条約の一覧を提出しました。各国の現在の採択状況によれば、多数国間条約により、オーストラリアのCTAのうち、30の租税条約が改正されることになります。オーストラリアは、対象租税条約のリストとともに、多数国間条約の様々な規定に関する採択状況の暫定の一覧を提出しました。多数国間条約に係る批准、承諾または承認の証書が寄託されることにより、オーストラリアの最終的な同条約の採択状況が確定となります。

詳細:Australia signs Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent BEPS, dated 28 June 2017(英語)


英語の全文アラートへ