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BEPS update
~インド、マレーシア及びオーストラリア~

Japan tax alert 2017年5月31日号
本BEPS updateでは、EYグローバルから発行されているタックス アラートから各国のBEPS最新情報を抜粋してお知らせします。なお、各国の詳細情報については、英語の原文を参照ください。

インド

2017年5月17日、インド内閣は、租税条約に関連するBEPS対応策を実施するための多国間協定(Multilateral Instrument、以下「MLI」)への署名を承認しました。MLIへの署名は2016年12月31日より開始されており、第1回目の高官による調印式が2017年6月7日にパリで行われる予定です。MLI署名国は、MLIへ署名する時点または批准書を寄託する時点で、MLI条文の適用を望む租税条約、すなわち「対象租税条約(Covered Tax Agreement)」のリスト、並びに選択事項及び留保事項のリストを提出しなければなりません。インドは、2017年6月の署名時に、暫定的な対象租税条約及び留保事項のリストを提出し、批准時に同リストを確定する見通しです。インドは第1回目のMLI調印式への参加を決定し、BEPSに対抗するための積極的アプローチに向けて一歩を踏み出しました。

マレーシア

2017年5月1日、2010年議定書によって改正された多国間税務行政執行共助条約(Multilateral Convention on Mutual Administrative Assistance in Tax Matters 、以下「MAAC」)がマレーシアにおいて発効されました。マレーシアは、2016年8月25日にMAACに署名し、2016年12月23日に「2016年所得税に関する政令」に基づきMAACを批准しています。MAACが発効したことにより、マレーシアは、2017年1月27日に署名した国別報告書の自動的交換に関する多国間税務当局合意に規定されたルールと手続きのもと、国別報告書を自動的に交換、受領できるようになります。国別報告書の自動交換は2018年1月1日から適用される予定です。

オーストラリア

2017年5月9日、オーストラリア政府は2017-2018年度予算案を発表しました。予算案の中には、多くのBEPS関連事項が含まれています。多国籍租税回避防止法(Multinational Anti-Avoidance Law、以下「MAAL」)が改正され、MAALの適用を回避するために、海外居住者であるパートナーを有するパートナーシップ、海外居住者である受託者を有するトラスト、及び一時的に管理支配の中心(central management and control)をオーストラリアに置く海外トラストを、法人ストラクチャーに介在させることを否認するように適用対象が拡張されました。この改正は、納税者がMAALに対応するために導入した一定のストラクチャーに焦点を当てた納税者向け通達(Taxpayer Alert)、TA 2016/11の発遣に続くものです。改正法令は、2016年1月1日より遡及適用されます。

さらに、現在オーストラリアにおいて策定中のハイブリッド防止規定の適用方針を示し、オーストラリア金融機関の外国支店が発行するその他Tier 1 資本(Additional Tier 1、以下「AT1資本」)と呼ばれる自己資本が適用対象とされることになりました。オーストラリアでは資本として、外国支店の管轄国・地域では負債として、取扱われるAT1資本の分配について、その分配が外国支店において損金算入可能となる場合、オーストラリアではフランキングクレジットを適用できなくなります。また、AT1資本がオーストラリア金融機関の海外事業で完全に用いられない場合は、フランキングクレジット残高を減額しなければならず、分配は実質的にフランキング適用済みとして扱われることになります。ハイブリッド防止規定は、2018年1月1日または立法化されてから半年後のいずれか遅い日から適用されます。


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