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BEPS update
~OECD、ドイツ、オランダ、台湾及び英国~

Japan tax alert 2017年5月18日号
本BEPS updateでは、EYグローバルから発行されているタックス アラートから各国のBEPS最新情報を抜粋してお知らせします。なお、各国の詳細情報については、英語の原文を参照ください。

OECD

2017年5月4日、OECDは、国別報告書の導入と共有メカニズムについての最新状況を公表しました。OECDによれば、約45の国・地域が、最終親会社である居住法人に対し、国別報告書の提出を義務付けたとのことです。また、10の国・地域が、多国籍企業グループの最終親会社である居住法人による自主的な代理提出を認め、約45の国・地域が、多国籍企業グループの最終親会社ではない構成事業体による代理提出を認める予定であるとのことです。またOECDは、ブラジル及び中国におけるローカルファイリングの要件についての最新情報も発表しました。

ドイツ

2017年4月27日、ドイツ連邦議会は、権利のライセンス付与に係る有害な租税慣行の防止に関する法案を可決しました。 同法案では、新たに所得税法第4j条を導入し、関連者に対するロイヤルティ及びロイヤルティ類似の支払いの損金算入を制限するとしています。 損金算入が制限されるのは、このような支払いの受領国における優遇税制がOECD非準拠であり、かつ実効税率が25%未満の場合です。 立法過程における12月提出法案からの主な変更点は、OECD準拠の優遇税制の定義に関するものです。 当初の法案では、主に実質的な事業活動の証拠に基づく、優遇税制の特別な定義を予定していました。 改正法案では、予定していた優遇税制の定義に代わるものとして、OECDによる行動5のネクサスアプローチを直接参照するものとなりました。 また、ドイツの外国子会社合算税制(CFC)の適用対象となる国外法人に対し、ドイツ法人がロイヤルティを支払う場合は、ロイヤルティの損金算入は制限されないとしています。 同法案は、2017年6月2日に連邦参議院が承認する見通しであり、2018年1月1日以降に発生する費用が新規則の適用対象となります。

詳細: Germany publishes draft bill to restrict deduction of royalties to affiliated foreign entities that benefit from IP regimes without substantial local R&D activities, dated 20 December 2016(英語)
German Parliament adopts legislation on limitation of tax deduction of royalties and tax exemption of restructuring gains, dated 2 May 2017(英語)

オランダ

2017年4月28日、米国内国歳入庁(IRS)は、2カ国の税務当局との間で、国別報告書を年に1度自動的に交換する協定を締結したと発表しました。 そのうち1カ国がオランダです。 現時点では、協定の内容は明らかにされていませんが、2017年4月6日にIRSが公表した米国モデル税務当局合意に基づいていると思われます。

台湾

2017年4月21日、台湾の立法院は、台湾の個人が管理もしくは所有する外国子会社に関するルール(以下、「個人CFCルール」)を可決しました。 個人CFCルールにおいてCFCとは、法人所得税率が11.9%未満の低税率国・地域に所在し、台湾の個人やその関係者が直接的または間接的に50%超を保有する外国企業と定義されています。 台湾の個人、その配偶者、特定の親族が直接的または間接的に所有するCFCの株式もしくは出資が合計で10%超の場合、持株比率に対応する当該CFCの利益を国外源泉所得として課税所得に合算し、代替ミニマム税(AMT)を計算することが義務付けられるようになります。 ただし、納税者の課税年度における国外源泉所得の総額が100万台湾ドル未満である場合は、個人のAMTを計算する際にCFC所得を合算する義務が免除されます。実施細則は、台湾財政部が発表する予定です。個人CFCルールは、2016年7月に立法院が可決した台湾企業を対象とするCFCルールと同時に施行される見込みですが、その時期は確定していません。CFCルールの施行には、1. 中国と台湾が署名した二重課税防止協定の発効、2. 世界的な共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換の実施、及び3. CFCルールの補足規則の策定及び実施の3つの条件が充足される必要があります。

英国

2016年4月27日、英国の2017年度財政法が上下両院による承認後、女王の裁可を得て成立しました。 総選挙を2017年6月8日に控え、2017年度財政法を早期に成立させる必要があったことから、議論が分かれる条項や複雑な条項の多くが削除され、財政法は当初よりかなり短くなりました。 削除された条項には、損失控除(loss relief)及び利子損金算入に関する新規則、並びに実質的株式持分免税制度の改正が含まれています。 ハイブリッド防止ルール及びパテントボックス制度における費用分担ルールの改正も削除されました。 しかしながら、総選挙後には、選挙結果にかかわらず、削除された条項のほとんどが復活すると予想されています。 削除された条項が総選挙後の法案で復活するとしても、いつから効力を生じるかは依然として不明です。 これは納税者にとって問題となる可能性があります。

詳細: UK enacts shortened version of Finance Bill, dated 28 April 2017(英語)


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