EY税理士法人
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BEPS update
~OECD、オーストラリア、韓国及び英国~

Japan tax alert 2017年4月21日号
本BEPS updateでは、EYグローバルから発行されているタックス アラートから各国のBEPS最新情報を抜粋してお知らせします。なお、各国の詳細情報については、英語の原文を参照ください。

OECD

2017年4月6日、OECDは、国別報告書の実施指針(Guidance on the Implementation of Country-by-Country Reporting)の改定版(以下、「改定指針」)を公表しました。改定指針は論点ごとの構成となっており、新たに追加された5つの質問事項が含まれています。論点は4つあり、1.国別報告書のテンプレートに記載されている項目の定義、2.国別報告書において報告対象となる事業体、3.国別報告書の提出義務、4.国別報告書の共有メカニズム(情報交換、代理親会社による提出、ローカルファイリング等)に係る事項を取り上げています。改定指針は現在、英語とフランス語で閲覧できますが、近日中にドイツ語でも閲覧できるようになる予定です。

詳細:OECDが国別報告書に関する指針を改定(Japan tax alert 2017年4月21日号)
OECD updates its guidance on Country-by-Country Reporting, dated 7 April 2017(英語)

オーストラリア

2017年4月6日、オーストラリア税務当局(Australian Taxation Office、以下「ATO」)は、大企業及び多国籍企業の租税回避に対する取り締まりの結果を発表しました。その中には、現在行われている大規模事業に係る税務調査71件が含まれており、調査対象となっている多国籍企業は59社に及びます。ATOは、多国籍租税回避防止法(Multinational Anti-Avoidance Law)等のオーストラリア税法の遵守を担保するため、納税者に対する税務調査を現在行っています。ATOによれば、少なくとも7件の主要多国籍企業に対する税務調査が2017年6月30日までにほぼ終了し、調査対象の多国籍企業7社(電子商取引業4社、エネルギー・資源業3社)に対する追徴税額は29億豪ドルになる見通しです。また、25社が多国籍租税回避防止法の施行を受けて、税務アレンジメントの再構築を行った又は行う予定であり、ATOに対する支払が生じるとの認識を示しています。

2017年3月27日、多国籍大企業に影響を及ぼす法案がオーストラリア議会で可決されました。同法は、2017年2月に提出された法案と基本的には同じ内容となっており、オーストラリア版迂回利益税の導入、改正OECD移転価格ガイドラインのオーストラリア税法への導入(2016年7月1日からの遡及適用)、及び主要グローバル企業に対する罰則の強化の3つの措置を実施するものです。

詳細: Australia passes Diverted Profits Tax and Penalties law, dated 30 March 2017(英語)

韓国

2017年3月21日、韓国企画財政部は、国別報告書の提出義務に関する指針を公表しました。同指針によれば、国別報告書の提出義務のある外資系多国籍企業の韓国子会社又は支店は、韓国の他の関連会社が国別報告書を提出する場合、最終親会社が他国において代理親会社を通じて国別報告書を提出する場合、もしくは代理親会社が所在する国が国別報告書の交換に関する多国間協定に参加している場合、国別報告書の提出義務が免除されます。国別報告書の提出義務のある外資系多国籍企業の韓国子会社又は支店は、対象事業年度終了後6カ月以内に事前の届出を行い、国別報告書を提出する法人及びその法人の居住国等の情報を記載する必要があります。同指針は直ちに施行され、2016年1月1日以降に開始する事業年度より適用されます。

英国

2017年3月30日、英国は国別報告書に関する規則の改正を発表しました。 今回発表された2017年税源浸食と利益移転(BEPS)、国別報告書、改正に関する税務規則は、直近のOECDガイドラインを考慮した上で、現行の法的枠組みを更新するものです。 今回の改正により、国別報告書の提出対象者の範囲が拡大され、パートナーシップも報告対象事業体として含まれるようになります。 また、国別報告書の提出義務のある多国籍企業グループの構成事業体である英国法人に対しては、年次届出が義務付けられます。 この新たな届出義務は、2016年1月1日以降に開始する報告対象事業年度より適用され、当該年度末までに届出を行う必要があります。 ただし、初回の届出期限は、報告対象事業年度の終了日又は2017年9月1日のいずれか遅い日とされています。 歳入関税庁(HMRC)は、国際的情報交換についての手引書(International Exchange of Information Manual)において届出要件を公表しています。 届出の様式は指定されていませんが、HRMCはスプレッドシードによる届出を希望しており、届出専用のメールボックスが開設されました(notification.cbcfiling@hmrc.gsi.gov.uk)。

他にも軽微な改正が含まれており、例えば、ローカルファイリングが必要となるのは、外資系多国籍企業の親会社が所在する国が情報交換に関する国際協定に参加していても、国別報告書の交換に関する特定の取決めを交わしていない場合に限られます。


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