EY税理士法人
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BEPS update
~インド、シンガポール、欧州連合及び英国~

Japan tax alert 2017年3月13日号
本BEPS updateでは、EYグローバルから発行されているタックス アラートから各国のBEPS最新情報を抜粋してお知らせします。なお、各国の詳細情報については、英語の原文を参照ください。

インド

2017年2月1日、インドの2017-18年度予算案が発表され、その中で、OECDによるBEPS行動4の提言に沿って、関連者からの借入に係る利子の損金算入を制限するとの提案がなされました。予算案によれば、インド企業(銀行及び保険会社を除く)又はインドにある外国企業の恒久的施設(PE)が関連者からの借入について損金算入できる利子費用は、EBITDA(税引前利益に支払利子、償却費を加算した利益)の30%と、関連者に支払った又は支払うべき利子のうち、いずれか少ない金額までに制限するとのことです。同規定は、関連者からの借入に係る1,000万ルピー(約148,775 米ドル)を超える支払利子に適用されます。関連者が暗黙的・明示的を問わず貸手に保証を提供する場合や、借入金と同額もしくはそれ相応の額を預入金として貸手に支払う場合は、その借入は関連者からのものとみなされます。また、損金算入が認められなかった支払利子は、8年間の繰越しが認められますが、上記の通り、EBITDAの30%が上限とされます。

詳細:India releases Union Budget for tax year 2017-18, dated 2 February 2017(英語)

シンガポール

2017年2月20日、シンガポールの2017年度予算案が発表され、その中で、研究開発活動から生じる知的財産(IP)の利用を促進するため、IP開発インセンティブ(IDI)というBEPSに準拠した新たな知的財産制度が提案されました。現行のインセンティブ受領者は、2021年6月30日まで引き続き現行のインセンティブ制度の対象となり、インセンティブを受領することができます。IDIは、2017年7月1日から施行されますが、IDIに関する詳しい情報は2017年5月までに公表される予定です。

詳細:Singapore releases Budget 2017, dated 23 February 2017(英語)

欧州連合

2017年2月9日、欧州議会のラポルトゥール(欧州議会に対し担当案件の報告を行う欧州議会議員)は、EU指令2013/34の改正に関する欧州委員会の指令案の修正事項を提出しました。この改正指令案は、特定の事業及び支店に対し法人所得税情報の開示(国別報告書の公開)を義務付けるものです。要するに、提出された修正事項は、改正指令案の対象となる範囲を広げ、企業が開示しなければならない情報量を増やすものになります。この改正指令案が採択されれば、EUに本社を置く企業だけでなく、EU以外に本社を置く企業も影響を受ける場合があります。また、他の欧州議会議員が追加的な修正事項を提出する可能性もあります。

詳細:EU Parliament members submit amendments to public County-by-Country Reporting proposal, dated 20 February 2017(英語)

英国

2017年2月14日、英国歳入関税庁(HMRC)は、租税回避スキームに関するガイダンスを更新しました。今回、租税回避スキームに加えられたのは、雇用者及び被用者が所得税と社会保険料を回避するために利用する偽装報酬(disguised remuneration)と呼ばれるスキームです。このような租税回避スキームに対抗するための改正は、2016年度予算案において発表されていました。納税者が偽装報酬スキームを利用していることが認められた場合、HMRCは、まず納税者の税務担当部署に問い合わせを行います。その後、必要に応じて、全額納税や利子の支払いを要請したり、罰金を科したりします。このようなスキームを利用している納税者は、できるだけ早くHMRCに確認する必要があります。


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