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米国、食事代・接待交際費に係わる財務省規則草案

Japan tax alert 2020年2月27日号

2020年2月21日、米国財務省は、2017年12月22日に成立した米国税制改正(以下、「TCJA」)により改定された内国歳入法第274条(以下、「274条」)に係わる規則草案を公表しました。274条は必要経費と認められる食事代・接待交際費の損金算入制限を規定している条文です。2018年1月1日以降に発生する食事代・接待交際費は、TCJAによる新たな損金算入制限規定に基づいて処理する必要があります。

274条は大別して「食事代」(Meal)およびその他の「接待交際費」(Entertainment)に係わる損金算入制限を規定しています。TCJAによる274条の改正に伴い、必要経費に当たる場合も接待交際費は特定の除外規定が適用されない限り全額損金不算入となります。一方、必要経費と認められる食事代に関しては、従来通り原則としてその50%が損金算入対象となります。法律そのものはすでに施行されていますが、規則草案に規定される解釈等は、規則が最終化される場合、2020年4月30日以降に開始する課税年度からの適用予定とされています。規則草案の主たる規定は次の通りです。

食事代

  • 必要経費と認められる食事代は原則として50%が損金算入対象だが、過度に贅沢な食事は全額損金不算入
  • 会食費用は、会食に納税者の事業に係わる顧客、クライアント、サプライヤー、従業員、エージェント、パートナー、アドバイザーが同席している場合に必要経費として50%損金算入可能。ただし、会食時点で必ずしも顧客等である必要はなく、潜在的な顧客等であれば条件を充足
  • 出張中の食事代にも50%損金算入が認められる点を再確認
  • TCJAで2025年以前に発生する引越費用が損金不算入とされたため、転勤移動中の食事代も損金不算入
  • 従業員に供与される食事のうち、少額フリンジベネフィットとして従業員側で所得認識が免除されている食事代も、雇用者側では50%を損金算入
  • 食事は広義に解釈され、飲料、スナック等すべてを含み、また食事代にはデリバリー費用、チップ、売上税などの付随費用が含まれる。ただし、雇用者が社員食堂等で食事を供与する際に発生する人件費を含む食堂運営費用は食事代には当たらない

274条に規定される50%損金算入制限除外(全額損金算入可能)6項目

  1. 従業員に供与される食事代のうち、従業員に対するみなし給与として取り扱われ、通常の給与同様に雇用者側で源泉徴収対象となるもの
  2. 従業員以外のコントラクターに供与される食事代のうち、役務提供対価または賞金の一部として支払調書により報告されるもの
  3. コントラクター等に経費精算を通じて支給される食事代は、支給する側とコンタクターの双方で50%制限の対象となることはない(どちらで制限が適用されるかは精算方法による)
  4. 従業員のために企画されるレクリエーション、社交行事等のイベント時に発生する食事代。ホリデーパーティー、年間行事のピクニック、サマーピクニックは社交行事に当たるが、カフェやコーヒールームで提供される無料のスナック代は社交行事に係わる食事代には当たらない。また、高額所得者、役員、10%以上の持分を所有する株主・オーナーへの恩典が主と考えられるイベントは、従業員のための企画には当たらない
  5. 一般大衆に供与される食事代。一部が従業員にも供与される場合も、主に一般大衆に供与されている場合には全額が除外項目となる。顧客、クライアント、訪問者は一般大衆と認められる一方、従業員、パートナー、コントラクターは一般大衆には当たらない。
  6. 飲食店で顧客から正当な対価を受け取り提供される食事にかかわるコスト。飲食店運営の一環で、飲食店内で従業員に無償または廉価で供与される食事も当該除外規定の範囲内。ただし、役務提供を対価として提供される食事は等価交換でも、正当な対価を受け取っている取引とは取り扱われない。

接待交際費

  • 接待交際費は原則食事代を含まないが、接待の一環として食事が提供され、食事代が接待費用に含まれ、費用明細に食事代が別項目として表示されていない場合は、接待交際費の一部として取り扱われる。なお、食事代が費用明細に別項目として表示されていても、食事代を過大表示している場合は、接待交際費の一部を食事代として取り扱うことは認められない
  • 接待交際費が必要経費と認められるか否かにかかわらず、接待交際費は原則として全額損金不算入となる点を再確認