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英国総選挙の結果とEU離脱

Japan tax alert 2019年12月19日号

英国総選挙は保守党が単独過半数を得て勝利し、引き続き政権を担うこととなりました。これにより、保守党は公約を実行することができます。保守党の勝利は何よりもまず、EU離脱協定法案に重点が置かれることを意味しますが、一方で2月の予算案で取り上げられる予定の税制改正や関連する論点があります。

EU離脱

ボリス・ジョンソン首相は、2019年12月20日に離脱協定法案を提出し、国会議員による投票が2019年12月23日に行われるようにすると述べました。離脱協定法案が可決された場合でも、EU離脱が実現するには、欧州議会が2020年1月31日までに離脱協定を批准する必要があります。

現在最も可能性が高いシナリオ通り、英国が2020年1月31日にEUを離脱した場合、2020年12月31日までの「移行期間」に入ります。移行期間を1~2年延長する条項が存在しますが、ボリス・ジョンソン首相は以前に、移行期間を延長するつもりはないと述べています。移行期間中、英国は基本的にEUの一部としてとどまりますが、移行期間が終了すると、英国は、加盟国間の特定の支払に係る源泉税の撤廃について取決める親子会社指令や利子・ロイヤルティ指令等のEUの税に関する指令が適用されなくなります。また、英国企業とEU企業の合併について、課税上中立的なメカニズムを認める合併指令も適用されなくなります。移行期間が延長されるか、上記取扱等に関して新たな合意を実施するか、企業グループ自体が再構築されない限り、追加の税コストが発生する可能性があることから、企業は2021年1月からの源泉税のポジションを確認する必要があります。

移行期間中、EUと英国は将来的な両者の関係に関する交渉を行います。合意された政治宣言では、ほとんどの物品およびサービスに係る関税をゼロにし、国境チェックを最小限に抑える包括的な自由貿易協定(FTA)が提唱されています。ボリス・ジョンソン首相は、かかるFTAの締結は2020年12月までの11カ月で可能だと述べていますが、英国とEUの他の多くの政治家は異なる見解を示しています。今や英国は保守党過半数が「合意案」を批准すればEUを離脱できますが、FTAに関する合意が移行期間期限前に成立しない場合、企業には2021年1月1日から追加コストと混乱に直面する可能性があるという重大なリスクが残ります。これらのリスクは、貿易紛争をWTO控訴裁判所に付託することに関連した問題が継続する場合に追加される可能性があります。

※本アラートの詳細は、下記PDFからご覧ください。


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