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米国、956条財務省規則草案公表

Japan tax alert 2018年11月6日号

2018年10月31日、米国財務省は、内国歳入法第956条(以下、「956条」)に係わる規則草案を公表しました。956条は、外国子会社(Controlled Foreign Corporation、以下「CFC」)による米国株主またはその米国関連者への貸付や、その他の特定の形態の取引による米国への資金還流をCFCの留保所得(米国基準のE&P)の範囲において米国株主側でみなし配当所得として合算課税する複雑な規定です。例えば、30米ドルの留保所得があるCFCが50米ドルを米国株主に貸し付けた場合、米国株主は30米ドルの配当所得があったものとして合算課税を受けることになります。956条合算課税の対象となる場合、法人である米国株主は間接税額控除を受けることができます。

2017年12月22日に可決された米国税制改正(The Tax Cuts and Jobs Act :TCJA)は、一定要件の下で米国法人株主がCFCから受け取る配当に100%配当控除を認める一方、956条はそのまま温存しており、実際の配当と956条に基づくみなし配当の取扱いに不整合が生じていました。また、100%配当控除の対象となる実際の配当を受け取る場合には外国税額控除が認められませんが、956条のみなし配当に対しては引き続き外国税額控除が認められる等、実際の配当と956条のみなし配当との取扱いの差異に着目し、納税者側が意図的に956条をプラニング目的で利用する動きも見受けられました。このため、このタイミングで早々に956条の適用ガイダンスが公表されたものと考えられます。

今回公表された規則草案のアプローチは、956条合算を実際の配当と同様に位置付けており、もし仮に合算対象額が実際に配当されていたら100%配当控除の対象となったであろう金額については、956条対象取引が存在しても合算課税の対象から除外すると規定しています。規則草案の規定は、最終規則が官報に公示された日以降に開始するCFCの課税年度において適用されます。