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米国IRSが移転価格調査手順を公表

Japan tax alert 2018年8月9日号

米国IRSはこのたび、移転価格調査手順(Transfer Pricing Examination Process、以下「TPEP」)を発表しました。米国IRSは、移転価格調査を3つのフェーズ(審議「Planning」、調査実施「Execution」および決議「Resolution」)に分類し、各段階における詳細な調査手続きを記載しています。なお、TPEPは、IRSが2014年に発表した移転価格調査ロードマップ(Transfer Pricing Audit Roadmap、以下「Roadmap」)の改訂版となります。 米国IRSは、移転価格調査を3つのフェーズ(審議「Planning」、調査実施「Execution」および決議「Resolution」)に分類し、各段階における詳細な調査手続きを記載しています。なお、TPEPは、IRSが2014年に発表した移転価格調査ロードマップ(Transfer Pricing Audit Roadmap、以下「Roadmap」)の改訂版となります。

各調査フェーズにおける主要な発表内容は以下の通りです。

1. 審議フェーズ

  • 納税者とのミーティングの前に調査対象取引や関連者が選定される
  • 対象となる取引を選定するにあたり、IRSは税務フォーカス分野(Issue Based Campaigns)を検討し、その結論に基づき調査チームを編成する
  • 国別報告書(Country-by-Country Report)に記載されている情報を基に納税者の移転価格リスクを確認する
  • 納税者の様々な利益指標を分析し、所得移転の可能性があるか判断する
  • 調査チームは、対象取引の事実確認を行い、移転価格調整を実施できるか判断する
  • 調査報告書を上層部に報告した上で、具体的な調査手続きを決定する

2. 調査実施フェーズ

  • 納税者から移転価格文書を入手し、移転価格の妥当性を検証する
  • 納税者から国外関連取引、機能・リスクやその他の情報を入手し、事実関係を明確にする
  • 上記の情報を基に対象取引の追加及び除外を検討し、移転価格検証方法を精査する
  • 調査チームは移転価格検証レポート(Economic Report)を作成し、移転価格調整額を算定する
  • その上で調査チームは所得更正通知書(以下「NOPA」)の作成を開始する
  • 所得更正に伴うペナルティの検討も実施する

3. 決議フェーズ

  • 調査チームはNOPA及びEconomic Reportの内容を納税者に説明し、調査終了の方向へ向かわせる
  • 納税者が更正内容に同意する場合、または同意しない場合の手続きを開始する

移転価格調査への影響

  • 納税者にとって、調査手順及び調査で求められる情報がより明確になる
  • 調査期間の提案が24カ月または36カ月になっているため、調査が長期化するおそれがある(Roadmapは24カ月の調査期間に基づく)
  • TPEPはガイドラインであり法的強制力はないが、調査チームがTPEPの内容に反する調査を実施した場合、納税者はTPEPに基づく手順を求めることが可能