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BEPS update
~ペルー、ルクセンブルグ~

Japan tax alert 2018年7月19日号

ペルー

2018年6月21日、ペルーの大統領は、BEPSパッケージの租税条約に関するミニマムスタンダードを実施するため、経済財政相に対し、MLIに署名する権限を付与しました。ペルーは2016年12月7日にBEPS包摂的枠組みに加わり、2018年6月25日から28日にかけてペルーのリマで包摂的枠組み第5回総会を主催しています。


ルクセンブルク

2018年6月20日、EUの租税回避防止指令(ATAD)を導入する法案(以下、「同法案」)がルクセンブルク議会に提出されました。同法案に含まれる規則は次の通りです。

  • ⅰ.受取利息額を超える支払利子(超過借入費用)の損金算入額を納税者の利子、税金、償却前利益(EBITDA)の30%までに制限する新たな規定が導入されます。超過借入費用が300万ユーロ未満の場合、EBITDAを基準とした制限は適用されません。また、独立事業体及び金融事業は、利子損金算入制限の対象外となります。
  • ⅱ.外国子会社(CFC)合算税制が導入されます。これにより、CFCが引き受けるリスク及び/または所有する資産に関連してルクセンブルク納税者が「重要な人的機能」を遂行する場合、「税制上の優遇措置を受けることを本質的な目的として構築された真正でないアレンジメント」(アプローチB)から生じた、低税率のCFCの未分配所得は、所得が発生した年度に、ルクセンブルク納税者の課税標準額に含めなければならなくなります。所得の合算は、ルクセンブルクの法律が規定する通り、独立企業原則に基づいて行わなければなりません。
  • ⅲ.同法案には、ハイブリッド・ミスマッチ・ルールが含まれており、複数のEU加盟国で取扱いが異なる関係会社間の金融商品もしくは事業体に起因するハイブリッド・ミスマッチに適用されます。当該ルールの適用期間には期限があり、2019年12月31日までにより詳細なルールに置き換えられ、適用範囲が第三国、すなわち非EU加盟国とのハイブリッド・ミスマッチまで拡大します。非EU加盟国に関連するハイブリッド防止ルール(ATAD2)法案の提出と成立は来年になり、2020年1月1日より施行される見通しです。ATAD2が導入された時点で、ハイブリッド・ミスマッチに関する規定も変更されることになります。
  • ⅳ.現行の出国税ルールの適用範囲が拡大され、個別の資産移転も含まれるようになります。また、現在は出国税の支払いを無期限で繰延べることができますが、これが廃止され、最長5年間の均等分割払に変更されます。2020年1月1日より前に終了する会計年度について認められた繰延べは、新規定の影響を受けません。
  • ⅴ.現行の一般的濫用防止規定(GAAR)が、ATADのGAARの内容をより良く反映するように改正されます。同法案の規定は、ルクセンブルク議会による承認後、2019年1月1日以後に開始する課税年度に適用されます。ただし、出国税に関する規定は2020年1月1日より適用開始となります。

2018年6月15日、ルクセンブルクの政府評議会は、2017年6月7日に署名したMLIを批准する法案を採択しました。財務相は、ルクセンブルクが締結している現在有効な81の租税条約全てを対象租税条約(CTA)として指定したこと、すなわちMLIを通じて改正することを再確認しました。ルクセンブルクの最終的なMLIの採択状況について、それ以上の情報は明らかにされませんでしたが、署名時のMLIの採択状況を維持する可能性が高いと思われます。国内での批准手続き終了後、ルクセンブルクがMLIの批准書、受諾書又は承認書をOECDに寄託することにより、ルクセンブルクのMLIの採択状況が確定されることになります。ルクセンブルクでMLIが発効するのは、当該証書を寄託した日から3カ月経過した日を含む月の翌月1日となります。