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インドネシア、国別報告書に関するアップデート

Japan tax alert 2017年11月9日号

エグゼクティブ・サマリー

2016年12月に、インドネシアは国別報告書(CbCR)にかかる要件を、財務省規213/PMK.03/2016(以下、「PMK-213」)1により規定しました。

第1に、CbCRの提出義務がある者は誰なのかについて、PMK-213の規定は明確である一方、外国の多国籍企業グループのインドネシア子会社(以下、「インドネシア子会社」)が、ローカル/二次的提出要件のもと、インドネシアでCbCRを提出する必要があるかどうかについては依然として不明確です。

初年度のCbCRの期限が迫っており、国税総局がCbCRの実施規定を公表することが見込まれている中、本アラートでは、インドネシア子会社が現時点で検討すべき主な課題を概説します。

詳細

適用年度

PMK-213の制定日が2016年12月30日であることから、CbCRの要件は事業年度が2016年12月30日の翌日以降に終了するインドネシア子会社に適用されることは明らかです。 例えば、CbCRの提出が必要な2016年12月31日が事業年度末のインドネシア子会社は、2016年1月1日から12月31日までの期間におけるデータを含む最初のCbCRを作成及び提出することになります。

解決すべき問題

国税総局が実施規定を依然として公表していないことを鑑みると、現行指針であるPMK-213に基づき、インドネシア子会社がCbCRをインドネシアで提出しなければならない状況が数多くあると考えられますが、これは経済協力開発機構(OECD)が公表した指針と齟齬する可能性があります。 制定予定の実施規定が、このような現地提出要件をOECDの指針に合わせるかどうかは不明です。

インドネシア子会社による現地提出がPMK-213で要求され、一方OECDの指針では要求されていない状況としては、例として以下が想定されます。

  • 親会社は、自国ではCbCRを提出することが要求されていないが、他の国において代理法人による提出を予定している、又は自国において自主的に提出する。
  • 親会社は、連結総収入が11兆ルピア(750百万ユーロに相当)未満である事業グループの親会社であり、そのため自国においてはCbCRが提出されない。
  • 親会社は、2017年(又はそれ以降)までにCbCR要件を規定していない国に所在している。

タイミング

PMK-213によれば、CbCRは、事業年度末から12カ月以内に作成し、インドネシア子会社の翌事業年度の年次法人所得税申告書(Corporate Income Tax Return、以下「CITR」)に添付する必要があります。これは、例えば2016年12月31日が事業年度末のインドネシア子会社は、CbCRを添付した2017年度CITRを2018年4月に提出しなければならない、ということを意味します。

CbCRが指定された12カ月の期間内に作成されない場合の取扱いは明確ではありませんが、CbCRを翌事業年度のCITRに添付しない納税者には明らかな影響があります。

提出方法

上述した通り、PMK-213によれば、CbCRは翌事業年度のCITRに添付する必要があります。現時点では、国税総局が実施規定において電子提出を導入するかどうかは不明です。

インドネシアにおけるCbCR の構成要素

納税者がインドネシアで提出を要求されるCbCRは、OECDの指針に基づき作成及び提出が要求されるCbCRに比べより詳細なものです。PMK-213では、OECDが要求する2つの報告書に加えて、CbCRワーキングペーパーを第3の報告書として導入し、CbCRの一部として提出を義務付けています。

遵守違反の場合の罰則

納税者がCITRにCbCRを添付しない場合、CITRに不備があるとみなされる可能性があります。CITRに不備があるとみなされた場合、国税総局によって未納税額の200%までのペナルティと刑事罰が科される可能性があります。

通知義務

現在、インドネシアでは、外国で提出したCbCRについての通知義務はありません。

今後の影響

インドネシア子会社は、1. PMK-213及びOECDの指針に基づき、インドネシアでCbCRを提出する必要が生じる可能性が高いか否か、2. PMK-213の指針ではインドネシアでのCbCR提出が義務付けられている一方、OECDの指針ではインドネシアでのCbCR提出が義務付けられていないため、インドネシアでのCbCR提出の必要性は依然として不明とするか否か、評価を下す必要があります。

インドネシア子会社が、インドネシアでCbCRを提出する必要が生じる可能性が高い場合、ただちにCbCRの作成に着手するべきです。

インドネシアでのCbCR提出の必要性は依然として不明と判断した場合、インドネシア子会社及びグループは、インドネシアでのCbCR提出に対しどのようなアプローチをとるかについて、評価を行う必要があります。これには、インドネシアでのCbCR提出に対する戦略及び方針、実施規定が公表されて提出の必要性が明らかになるまで行動を起こさないでよいのか否か、インドネシアで提出するCbCRの作成にかかる労力の評価などが含まれます。

  1. 2017年1月16日付EYグローバルタックスアラート、「Indonesia implements new transfer pricing documentation requirements in line with BEPS Action 13」(英文のみ)をご参照ください。

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