EY税理士法人
ライブラリー

台湾、国際電子商取引に関する新たな税務ガイドラインを制定

Japan tax alert 2017年5月12日号

エグゼクティブ・サマリー

2017年4月24日、台湾財政部(台湾の財務省)は、営業税(VAT)法に関連して税務ルーリング第10600012320号(以下、「ルーリング」)を発表しました。これは2016年12月28日並びに2017年3月8日にそれぞれ制定された、営業税法の2016年改正1と2017年改正2に沿ったものです。ルーリングは、2017年5月1日に発効され、「電子商取引サービス」及び「国内の個人」の定義と、電子商取引の典型的なモデルを示すものです。

詳細解説

原則ルール

台湾の個人に対して電子商取引サービスを提供する、台湾に対し事業を行う一定の場所を有さない国外の電子商取引事業者(以下、「国外事業者」)は、原則として 営業税が課税されます。

用語の定義

電子商取引サービス

この用語には、以下のサービスが含まれます。

  • コンピューター又はモバイル機器(例: スマートフォンやiPad等)へのダウンロードや保管を伴うインターネット経由で提供されるサービス
  • コンピューター又はモバイル機器へのダウンロードや保管なしでインターネットを介して提供されるサービス(例: オンラインゲームや広告等)
  • 他の電子的方法を介して提供されるサービス(例:物理的な場所と関連する国外事業者のデジタルプラットフォームを通じて提供されるサービス等)

国内の個人

この用語には、台湾国内の物理的な場所に関連する又はしない電子商取引サービスを購入する以下の個人が含まれてい ます。

  • 台湾国内の物理的な場所に関連しないサービスの場合:
    • 台湾に住居を有する者又は台湾の居住者
    • 台湾に所在する機器を通じて電子商取引サービスを購入する者
    • 国番号886の電話番号を有するスマートフォンを使用する者
    • 取引の詳細(例:IPロケーション又はクレジットカードの登録住所等)によって国内の個人と判断される者
  • 台湾国内の物理的な場所に関連するサービスの場合:
    • 不動産に関連する電子商取引サービス(台湾国内に所在する宿泊施設サービス等)を購入する者。例えば、海 外の個人がデジタルプラットフォームを使用して台湾のホテルを予約する場合等
    • 台湾国内で行われる輸送に関連する電子商取引サービスを購入する者
    • 台湾国内で行われる展示会に関連する電子商取引サービスを購入する者
    • 台湾国内の物理的な場所に関連するその他の電子商取引サービスを購入する者

典型的な取引モデル

電子商取引には、以下の取引モデルが含まれます。

  • 国外事業者が自身のウェブサイト又は電子的な方法を介して行う、国内の個人に対するサービスの販売。この場合、国 外事業者が受領した全額が営業税の対象となります。
  • 台湾において事業を行う一定の場所を有さない外国企業、機関、団体、又は組織が、国外事業者のデジタルプラットフォ ームを介して行う、国内の個人に対するサービスの販売。この場合、国外事業者又は国外事業者のデジタルプラットフォ ームに対するサービス料の支払いは営業税の対象となりますが、国外事業者及び国外事業者のデジタルプラットフォー ム間の支払いは課税対象外となります。
  • 国内企業が、国外事業者のデジタルプラットフォームを介して行う、国内の個人に対するサービスの販売。この場合、国 内企業へのサービス料の支払いは全額が営業税の対象となります。一方、国内企業からデジタルプラットフォームへの 支払いは、リバースチャージ方式によって営業税の対象となります。

影響

上記の典型的な取引に基づき、サービス料の支払いを受けた当事者は、通常、電子商取引における納税者とみなされます。

ルーリングにおいて、国外事業者は費用・経費について仕入税額控除を適用することが認められています。しかし、その事業活 動に共通して発生した費用・経費については、係る税額を控除することができません。

国外事業者と国内事業者間の営業税課税標準の相違は、問題を引き起こす可能性があります。例えば、受け取ったサービス 料全額が営業税の課税標準となる国外事業者とは異なり、国内事業者は、仲介手数料又は受け取ったサービス料と支払った サービス料との差額のいずれかを営業税の課税標準として選択することができます。したがって、国外事業者が外国企業に代 わって国内の個人からサービス料の支払いを受け、外国企業に当該サービス料全額を支払う場合、当該国外事業者は実質的 に営業税を負担することになる可能性があります。

さらに、国外事業者が税務当局の要求する請求書等の裏付け資料を準備できない場合、仕入税額控除が認められない可能 性があります。

このように複雑性と不確実性を伴うため、国外事業者は、これらの新しい営業税規則を遵守するために必要な手続きについて、 税務アドバイザーに相談することが推奨されます。

脚注:

  1. 2016年10月7日付、EYグローバル・タック・アラート
    Taiwan's Executive Yuan releases draft amendments for business tax imposition on cross-border e-commerce transactions
  2. 2017年3月22日付、EYグローバル・タックス・アラート
    Taiwan issues new tax guidelines on cross-border e-commerce transactions to be effective from 1 May 2017

Japan tax alert 2017年5月12日号をPDFでDownload (145KB)