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企業会計 2016年9月号:
移転価格調査選定・実地の着眼点

税務調査官は開示情報をどう利用するか

*本稿では、まず、税務当局による移転価格調査の状況および方針を確認し、調査の着眼点として、有価証券報告書等の開示情報がどのように利用されているかについて、わが国および米国における会計基準、開示資料等の状況を踏まえ考察し、 さらに、BEPS行動計画13の導入による今後の税務関連情報の開示に係る影響についても解説する。

はじめに

有価証券報告書等の開示情報は、税務調査官にとって宝の山である。 彼らは、有価証券報告書等を、株主とは異なる視点で分析し、税務否認につながりそうなものを発掘し、実地調査に赴くのである。

そこでは、3~5年にわたる計数が比較され、たとえば、資源価格が下がっているのになぜ、原価率が上がっているのか、といった疑問が呈され、 会社臨場時に解明が図られることになる。

また、計数分析に加え、注記事項の読込みも行われ、会計処理方法等を把握したあとに、税務上の処理が適正に行われているか否かが確認されることになる。 すなわち、関係会社等に債務保証等が行われている事実が注記されていれば、保証料の徴収があるのか否か、固定資産除却損が計上されていれば、事実関係に照らして、 税務上も損金算入が認められるかどうか、といった検討が行われるのである。

本稿では、上述の一般税務調査で検討されるものではなく、近年、米国の内国歳入庁(IRS)において最も重要な調査の着眼点とされており、 わが国でも耳目を集めている、有価証券報告書等の財務諸表の移転価格税制に係る税務債務の引当てに焦点を当てて、以下記述することとする。

I. わが国における移転価格調査
II. 移転価格課税と会計監査
III. 今後の展望

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