EY税理士法人
FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)
CRS(共通報告基準)

FATCAとは(FATCAの概要とスケジュール)

米国時間、1月17日にFATCAに関する財務省最終規則が公表されました。
タイムラインにつきましても、最終規則における変更を反映した上で更新される予定です。

2010

3月18

FATCA成立

FATCAが米国追加雇用対策法(HIRE Act)の一部として署名され成立しました。

8月27

IRSがFATCAに関するガイダンス第1弾を公表

外国金融機関(FFI)の定義、FATCAの適用除外要件及び文書化と報告要件を規定したNotice 2010-60をIRSが公表しました。

2011

4月8

IRSがFATCAに関するガイダンス第2弾を公表

Notice 2010-60で取り入れられた特定の要件の変更及びパススルー支払いを含む主要事項に関するガイダンスが記載されたNotice 2011-34をIRSが公表しました。

7月14

IRSがFATCAに関するガイダンス第3弾を公表

Notice 2011-53が公表され、参加FFIがFFI契約を締結し、また口座の特定や報告義務、及び源泉に関する要件を実行するための猶予期間が定められました。

2011

7月25

IRSがNotice 2011-53の訂正版を公表

IRSはNotice 2011-53の訂正版を公表し、Notice 2011-53により規定された源泉税の猶予期間は源泉徴収義務者によるFFI及びNFFEの両者への支払いに対して適用される事を明確化しました。

2012

2月8

IRS財務省規則案公表

IRSが、適用除外とされる債務、報告及び源泉徴収に係るアップデートされたタイムラインを含む旧指針からの重要な変更並びに明確にされた規則案を公表します。

4月30

IRSへの財務省規則案に関するコメント

財務省並びにIRSへの財務省規則案に関する書面によるコメントの提出期限日

2012

5月15

財務省規則案に関する公聴会

ワシントンD.C.にて財務省規則案に関する公聴会

7月26

モデル1協定の公表

モデル1協定では、締結国のFFIは自国の税務当局に対して特定の口座保有者に関する情報を提供します。また、当該情報はIRSとの間で自動交換されます。

2012

9月12

初のモデル1協定の締結

米国と英国はモデル1 協定に締結し、国際的な税務コンプライアンス及びFATCAの実施に関して合意しました。

10月24

Announcement 2012-42の公表

Announcement 2012-42により、源泉徴収義務者及び参加FFIによるデューデリジェンス手続を含め、FATCAの適用開始時期の変更が公表されました。これには、総受取額に対する源泉徴収の開始時期の延期や適用除外債務の定義の拡大も含まれています。これらの変更は財務省規則に反映されることになります。

2012

11月15

モデル2協定の公表

モデル2協定は、締結国における諸法令がFFIのFATCA遵守を困難にしている点に着目しております。モデル2協定では、締結国のFFIは直接IRSに対して報告を行います。

2013

1月17

財務省規則(FATCA最終規則)の公表

2012年2月に公表された規則案に対して寄せられたコメントを踏まえ、財務省規則が最終化・公表されました。

2月14

初のモデル2協定の締結

米国とスイスはモデル2 協定に締結し、国際的な税務コンプライアンス及びFATCAの実施に関して合意しました。

2013

7月12

Notice 2013-43により、適用時期の6か月間繰延べを公表

Notice2013-43の主な内容はFATCAの実施開始を全般的に6か月間延期するものです。また、協定が未締結である国・法域に存在するFFIの取り扱いに関しても規定しております。

8月19

FATCAポータルの開設

参加FFI、登録型みなし遵守FFI、制限対象FFI、またはスポンサー事業体が登録を行うためのオンラインポータルが開設されました。

2013

9月10

最終規則の訂正・明確化

2013年1月17日に公表された最終規則の一部が訂正、明確化されました。

10月29

Notice2013-69の公表

Notice2013-69により、FFI契約(ドラフト)が公表されました。これは参加FFIとして取り扱われるために、各FFIがIRSと締結するものです。(モデル2協定国のFFIについても、FFI契約の内容を遵守することになります)。

2014

4月25

FATCAポータルでの登録期日

IRSが2014年6月2日に電子的に公表する初回FFIリストに掲載される為の登録期日になります。

6月30

米国源泉徴収義務者及び参加FFI - 特定の税務資料の有効期限延長

米国税法チャプター3の目的において2013年12月31日が有効期限となる本人確認書類や源泉徴収証明書はこの日まで有効と扱われます。但し、当該資料の記載内容が変更となった場合はこの限りではありません。

2014

6月30

FFI契約の効力発生日

2014年6月30日以前に結ばれたFFI契約が効力を有することとなる最も早い日です。2014年6月30日以前に登録・取得したグローバル仲介人識別番号(GIIN)もこの日より効力を有することになります。

2014

7月1

適用除外となる債務の基準日

2014年7月1日時点で残高のある債務はFATCAの源泉徴収は求められません(2014年7月1日以降に重要な変更が無い限り)。想定元本契約のもと、適用除外となる債務を保証する担保に関する、又はそれを払い戻すために担保権者に対する支払を求める債務も適用除外扱いとなります。

セクション871(m)に規定する配当同等物を生じさせる債務については、最初に配当同等物と扱われた日から6か月を経過する日までは適用除外債務となります。

2014

7月1

新規口座に対するFATCAの適用開始

米国源泉徴収義務者及び参加FFIは新規口座手続きにおいてFATCAの適用を開始します。 2014年7月1日より前に開設された口座は既存口座として取り扱われます。

既存口座に対するデューデリジェンス手続きの開始

米国源泉徴収義務者及び参加FFIは既存口座に対する口座特定手続きを開始し、必要な書類の入手を開始します。

2014

7月1

FATCA源泉徴収の開始

源泉徴収義務者 及び参加FFIは、不参加FFIが所有する新規口座への米国源泉FDAPの支払に対して源泉徴収を開始します。

参加FFIは、非協力口座への米国源泉FDAPの支払に対して源泉徴収を開始します。

2014

12月31

純然たるFFIに対するデューデリジェンスの完了

参加FFI以外の源泉徴収義務者は既存債務に関して、 純然たるFFIである受取人の確認を2014年12月31日までに行う必要があります。参加FFIは2014年12月31日、又はFFI契約の効力日から6か月を経過する日のいずれか遅い日までに当該純然たるFFIである受取人に関する確認を行う必要があります。

2015

1月1

書類確認のできない既存不参加FFI(純然たるFFI)へのFDAP支払に対する源泉徴収

源泉徴収義務者と参加FFIは、2014年12月31日のデューデリジェンス期日(参加FFIの場合は、FFI契約の有効日から6か月後のいずれか遅い日付)以降は、受取人のチャプター4における異なるステータスを確定するに足る十分な記録を入手するまで、書類確認のできない純然たるFFIを不参加FFIと取り扱う必要があります。また、これらに対するFDAP支払いに関して源泉徴収を開始する必要があります。

2015

1月1

参加FFIによる、残高が100万ドル未満の口座のモニタリング開始

2014年年6月30日時点で残高が25万ドル(法人口座)、5万ドル(個人口座)の閾値を下回る既存口座に対し、その後において100万ドルを超えるかどうかの日々のモニタリングを開始します。超える場合は、歴年末時点でのレビューで足りるという例外規定から外れることになります。2014年6月30日時点で5万ドル未満の個人の預金口座、又は新規の預金口座に関しては日々のモニタリングは要求されていませんが、各暦年末もしくは口座解約時点でて5万ドルを超えているか否かのレビューが実施される必要があります。

2015

3月15

様式1042-Sによる報告

源泉徴収義務者及び参加FFIは様式1042、1042-Sを使用し、外国事業体である受取人への米国源泉FDAPの支払に関して報告を開始します。

2015

3月31

米国源泉徴収義務者及び参加FFIによる、所有者文書化済FFIの報告開始

米国源泉徴収義務者及び参加FFIは、所有者文書化済FFIに関する報告を開始します。

米国源泉徴収義務者による、受動的NFFEの実質的米国所有者の報告開始

米国源泉徴収義務者は、受動的NFFEの実質的米国所有者に関する報告を開始します。

2015

3月31

非協力口座に関する報告(2014年分)

参加FFIは2014年における、米国人(示唆情報の有無に問わず)、受動的NFFE、及び休眠口座に関する非協力口座の総数・総額の年次報告を開始します。

6月30

個人高額口座のデューデリジェンス完了

参加FFIはFFI契約の効力日から1年以内に、高額口座のデューデリジェンス手続きを完了させる必要があります。

2015

7月1

既存非協力高額口座への米国源泉FDAP支払に対する源泉徴収の開始

参加FFIは既存非協力高額口座に対する源泉徴収を開始します。

12月31

既存口座に対するデューデリジェンス

参加FFIは歴年末に100万ドルを超える個人口座に対して、最初の追加的レビュー(年次ベース)を実施します。

2016

1月1

米国源泉徴収義務者及び参加FFI - 特定の受動的NFFEへの支払に対する源泉徴収の開始

米国源泉徴収義務者と参加FFIは、既存債務に係る特定の受動的NFFEへの支払に対して源泉徴収を開始します。この規定は、米国所有者に関する情報の提供を怠った受動的NFFEへの支払いに対して適用されます。

2016

3月15

源泉支払に関する報告

参加FFI:様式1042及び1042-Sにより、2015年における非米国報告対象額、及び不参FFIへの米国源泉FDAP所得の支払いに関する報告を開始します。

3月31

所得情報の報告

参加FFI:総受取額を除き、2015年における米国口座への支払情報を年次報告に含めます。

2016

6月30

残りの既存口座に対するデューデリジェンスの完了

既存債務:参加FFI以外の源泉徴収義務者は、2016年6月30日までに残りの既存口座全てについて口座特定手続を完了させる必要があります。口座特定されない事業体の口座、及び受取人はこの日付以降は不参加FFIとして取り扱われます。

既存債務:参加FFIは2016年6月30日又はFFI契約の効力日から6か月後のいずれか遅い日までに、残りの口座全てについて口座特定手続きを完了する必要があります。口座特定されない事業体の口座、及び受取人はこの日付以降、不参加FFIとして取り扱われます。また、口座特定されない個人口座については非協力口座として取り扱われます。

2016

7月1

源泉徴収の開始

参加FFIは、非協力個人口座及び書類確認のできない事業体の保有する全ての既存口座に対して源泉徴収を開始します。源泉徴収義務者は、書類確認のできない事業体の既存口座全てに対し源泉徴収を開始します。

2016

12月31

FATCA導入前の様式W-8の失効日

米国源泉徴収義務者と参加FFIが、特定の受取人から提供されたFATCA導入前の様式W-8に依拠する事ができるのは、2016年12月31日までとなります。

スポンサード事業体の登録期日

スポンサー事業体(sponsoring entity)は、自らが管理するファンドなどのスポンサード事業体(sponsored entity)及び直接報告を行うスポンサードNFFE(Sponsored Direct Reporting)の登録を行う必要があります。

2017

1月1

パススルー支払が適用除外債務となる基準日(日付は未定)

外国パススルー支払(源泉徴収対象支払いを生み出さないもの)を生じさせる債務は、「外国パススルー支払」の定義が公表された日から6ヵ月以内は、適用除外債務となります。

制限対象FFI、制限対象支店ステータスの失効

参加FFIの拡大関連者グループのメンバー、及び現地での法令によりFATCA遵守の規制を受ける支店については、制限対象FFI又は制限対象支店としてのステータスを継続できなくなります。

2017

3月15

源泉支払の報告の開始

参加FFI:様式1042と1042-Sにより、2016年における不参加FFIに対する非米国源泉FDAP支払に関する報告を開始します。

総受取額が報告対象となる

参加FFI:カストディ口座の資産の売却、又は償還に関する総受取額が報告対象に含まれます。

2018

3月15

総受取額の追加

参加FFI、及び源泉徴収義務者は、2017年における米国総受取額を源泉徴収対象として追加し、様式1042及び1042-Sにて報告する必要があります。

2018

7月1

レスポンシブルオフィサーによる、デューデリジェンスとFATCA遵守の証明期日

レスポンシブルオフィサーは以下に関する証明が求めらます:
初度宣誓:既存個人高額口座及び全ての口座のデューデリジェンスが完了している。もし書類の確認ができなかった場合には、当該口座が非協力口座として扱われている。 2011年8月6日から当該証明日までの期間、口座保有者に対しFATCAの要件を回避ほう助するようなポリシーやプロセス(非公式的なものも含む)を有していない。
定期的宣誓(3年毎): FFI契約の遵守に関し、有効な内部統制が維持されており、証明対象期間についていかなる不履行もなかった、又は重大な不履行が是正された。

2018

7月1

登録型みなし遵守金融機関:レスポンシブルオフィサーによる、ステータス維持に求められる要件の充足に関する証明

登録型みなし遵守金融機関であるローカルFFI(日米当局声明では地域顧客基盤を有する小規模金融機関)及び制限付きファンドは、上記参加FFI(及びモデル2金融機関)と同様に初度宣誓が求められます。また、2014年6月30日までにGIINを取得したローカルFFIは、みなし遵守ステータスの維持に求められる要件の充足について定期的宣誓を行う事が求められます。

2019

1月 1

総受取額に対する源泉徴収の開始

源泉徴収義務者、参加FFIは、非協力口座(個人・法人)への総受取額の対して源泉徴収を開始する必要があります。

外国パススルー支払に対する源泉徴収

財務省規則は外国パススルー支払の定義を保留しています。その支払いに関する必要な源泉徴収は2019年1月1日以前には発生することはありません。

FATCAはビジネス全体に影響を及ぼし、全く新しい広域な情報及び情報システムを要求しています。

FATCAは2010年3月18日に施行された米国の法律(※)で、外国金融機関(FFI)及びその他金融仲介業者を対象とし、米国市民や米国居住者によるオフショア口座を利用した米国の租税回避を防ぐ事を目的としています。

FATCAは米国を拠点とする企業及び米国に資産や顧客を持つ外国企業まで幅広く影響します。FATCAでは、FFIが内国歳入庁(Internal Revenue Service、以下IRS)と契約を結び、FFIに開設されている米国口座等について報告を行うことを要求しています。

IRSと契約を行うFFIは"参加FFI"となります。
もしFFIがIRSと契約を行わない場合、米国法人により支払われる配当や利息は30%の源泉税の対象となります。30%の源泉税は、関連する米国資産の売却額にも同様に適用されます。

全てのFFIはFATCAに遵守するか源泉徴収の対象となることにいずれかの選択が求められます。大手金融機関においてはFATCAの遵守を行うためにITシステムの変更などに相当の準備期間が必要と予測されています。また、FFIとFFIの顧客との法的関係とFFIとIRSとの契約関係とのコンフリクトが発生する可能性も予測されているため、FATCAの規制及びその他の法的環境を慎重に検討したうえで、対応を開始されることをお勧めいたします。

参加FFIは下記3つの主要エリアにリソースを投入する必要があります。

  • 文書化:プロセスの変更を把握し顧客ベースの分析を行う
  • 源泉徴収:非協力的口座保有者に対する源泉徴収プロセスを構築する
  • 報告:全ての米国個人口座の残高及び総支払額が把握できる年次報告プロセスを構築及び維持する

財務省及びIRSは、金融機関によるFATCA遵守を支援する為に以下のガイダンスを発行しています。


※以下はIRSのサイトへリンクしています