EY税理士法人
FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)
CRS(共通報告基準)

CRSとは(CRSの概要とスケジュール)

 

2013

4月19

G5諸国はAEOI(自動的情報交換)の先行導入を公表

4月9

G20諸国は自動交換を新基準として導入することを承認

2013

6月18

OECDはG8サミットにおいて、自動交換の標準的グローバルモデルの導入に関し、「税務の透明化に関する段階的取組み」の報告書を提示

9月5・6

G20 首脳は自動交換の真のグローバルモデルとして、OECDによる提案を全面的に承認

2014

2月13

モデル当局間合意(CAA)と共通報告基準(CRS)がOECD CFAによって公表され承認

2月23

G20諸国はモデルCRSを承認

2014

5月6

60以上の国や地域が、OECD理事会会合における宣言を通じてCRSを公式に支持

3月19

導入スケジュールを含む、早期適用グループによる共同声明を公表

2014

8月1

導入スケジュールを含む、早期適用グループによる共同声明の更新を公表

2016

1月1

AEOIを早期適用した国・地域で2016年1月1日から新規口座開設手続に納税地の住所の記載が義務化

12月31

高額既存個人口座の特定に係る適正評価について、AEOIを早期適用した国・地域で実施

2017

1月1

日本において新規口座に対するCRSの適用開始

CRS上の金融機関は2017年1月1日以降に新規で特定取引を行う顧客から「届出書」を取得し、居住地国の特定を開始します。

1月1

日本において既存口座に対する特定手続きの開始

CRS上の金融機関は既存口座に対する口座特定手続を開始し、必要な書類の入手を開始します。

2017

3月

AEOIを早期適用した国・地域で、金融機関によるCRS(共通報告基準)に基づく初回の報告を実施

9月

AEOIを早期適用した国・地域の関係当局間での情報交換を開始

2017

12月31

低額既存個人口座と法人口座の特定に係る適正評価について、AEOIを早期適用した国・地域で完了予定

12月31

日本において個人高額口座の特定手続き完了

CRS上の金融機関は2017年12月31日までに、個人既存高額口座の特定手続きを完了させる必要があります。

2018

4月30

日本における初回の報告期限

CRS上の金融機関は2018年4月30日までに、2017暦年に特定した口座に係る報告を行う必要があります。

9月

2017年適用国を含めた関係当局間による情報交換

AEOIを早期適用した国・地域に加えて、日本を含む2017年適用国について、税務当局間による情報交換が行われます。

2018

12月31

日本において残りの既存口座に対する特定手続きの完了

CRS上の金融機関は2018年12月31日までに、その他の既存口座全てについて口座特定手続きを完了させる必要があります。

CRSは金融機関のビジネスに影響を及ぼし、広域な情報及び情報システムを要求しています。
CRSは、FATCAの枠組をベースとして成立した枠組であり、効果的かつ、無駄なコストをかけずに制度対応を進めていくためには、 FATCA対応で構築したインフラを有効に活用していくことが重要となります。

CRSとは

2014年7月21日、OECD(経済協力開発機構)は「課税における自動的な情報交換に関する基準 ( The Standard for Automatic Exchange of Financial Account Information in Tax Matters)」を公表しました。

本基準は、各国の税務当局が国際間の脱税行為を防止するため、G20からの要請に応えて作成されたもので、当局間の基本的な合意事項が記載されたモデル合意書 (Model Competent Authority Agreement、以下モデルCAAという)、共通報告基準(Common Reporting Standard 、以下CRSという)及び関連するコメンタリー及び付属文書から構成されています。

CRSにより、各国の金融機関は口座保有者の居住者国を特定し、各金融機関の所在地国の税務当局に報告することが義務付けられ、各国の税務当局は収集した各国の居住者口座情報をその納税者の居住国の税務当局と自動的に情報交換を行うこととなります。本制度により、これまで各国の税務当局が把握することが困難であった租税回避行為の情報をタイムリーに把握することができるようになります。

現在、約100カ国がCRSの導入を決定しており、その内56カ国が早期適用国(2017年から税務当局間で情報交換が開始される国)となっております。 早期適用国に拠点を有する金融機関は2016年1月1日から口座保有者の居住地国を特定できるよう、CRSが定める手続きを行う必要があります (導入国の一覧及び適用開始時期についてはこちら)。

日本では、2015年3月31日にCRS関連法及び政省令が成立・公布されています。2018年適用国として(2018年から税務当局間で情報交換が開始される国)、本邦金融機関は2017年1月1日から、CRS要件に従って対象口座の特定手続を行い、報告対象となる顧客口座情報を翌年4月30日までに所轄の税務署へ申告を行う必要があります。 2016年12月31日以前にCRSの対象取引(特定取引という)を行う既存の顧客口座のうち、報告対象となる顧客口座を特定するための手続は、2018年末までに完了することが義務付けられています。

CRSは、FATCAの政府間協定をベースに設計された制度であるものの、様々な点でギャップが存在し、かつFATCA自体、CRS施行開始後も制度としては存続する見込みとなっています。 その対応にあたっては、FATCAとのギャップを念頭に、いかに効率的に、かつ顧客対応や事務手続に混乱が生じないよう実効的な体制を構築できるか、といった点が課題となります。