EY税理士法人
BEPS

行動計画別のBEPS

経済協力開発機構(OECD)は、2015年10月5日、BEPSに対する行動計画における15の重点分野に ついて、 最終レポートを公表しました。

15の行動計画とそれぞれの勧告についての概要は下記参照ください。

行動1~15:BEPS最終報告書の概要

  行動計画 最終報告書
1 電子経済に係る税務上の課題への対応 電子経済が提示するBEPS問題については、他の行動計画(PE、移転価格、CFCなど)を通じて対応することとした。電子商取引に係る付加価値税について提言を行っている
2 ハイブリッド・ミスマッチに係る取決めの効果の無効化

ハイブリット・ミスマッチ*・アレンジメントに対処するための詳細な推奨事項が記載され、これらの課題について合意に達した内容が反映されている

*ハイブリット・ミスマッチ:金融商品や事業体に対する複数国間における税務上の取扱いの差異

3 外国子会社合算税制(CFC税制)の強化 有効なCFC税制に必要な構成要素について、CFC税制の「基本構成要素(ビルディング・ブロック)」を示す形で推奨
4 利子損金算入や他の金融取引の支払いを通じた税源浸食の制限 特定の事業体(entity)(又は同じ国の中で事業を行う事業体のグループ)による純支払利子の損金算入を、利払い、税金、減価償却控除前利益(EBITDA)に特定の率を乗じて算出された金額に制限する「固定比率ルール」の導入を推奨
5 有害税制への対応 税制が有害か否かの判断において適用する、「実質的な活動」の判断基準の定義付けを行い、さらに一定の税務ルーリングについての自動的情報交換を勧告
6 租税条約の濫用の防止 不適切な租税条約の特典の供与、及び租税条約の濫用のケースに対処するために策定されたOECDモデル租税条約及びOECDモデル・コメンタリー改正案を提示
7 恒久的施設(PE)認定の人為的回避の防止 外国企業が他国でPEを構成せずに事業を遂行可能にすると考えられているアレンジメントや戦略の使用を防止するため、OECDモデル租税条約第大5条におけるPEの定義の変更を勧告
8-10 移転価格税制と価値創造の一致

OECDは、行動8-10をまとめた1つのレポートで、次のような移転価格ガイダンスの改訂を取り上げている:

  • 独立企業原則の適用に関する改訂ガイダンス
  • 移転価格における比較可能性の要素に関するガイダンス
  • コモディティ取引の移転価格に関する新ガイダンス
  • OECD移転価格ガイドライン第6章の改訂版
  • 低付加価値グループ内役務提供に関する新ガイダンス
  • OECD移転価格ガイドライン第8章の全面改訂版
11 BEPSの規模・経済的効果の分析方法の策定 BEPSの対処策ではなく、BEPS行動評価に係るもので、他のBEPS行動計画とは異なる。BEPSの規模の推測、その測定指標の特定、及びBEPS評価の向上に向けた推奨事項の提供を意図している
12 義務的開示制度 義務的情報開示制度の設計について数々の推奨事項を列挙。義務的情報開示制度の導入の否応については、各国の選択に委ねており、最低基準(ミニマム・スタンダード)にはあたらない
13 多国籍企業の企業情報の文書化 三層構造(「マスターファイル」、「ローカルファイル」、「国別報告書様式」)から成る移転価格文書化及び国別報告書を勧告
14 相互協議の効果的実施 紛争解決のアプローチの大幅な変更を実施するという参加国のコミットメントを反映しており、相互協議手続き(MAP)のメカニズムの実効性と効率性を高めることを目指した措置を含んでいる
15 多数国間協定の策定 BEPSプロジェクトにおいて展開されることになる租税条約関係の措置の実施や二国間租税条約の改訂に向けて、多国間協定のテクニカル上の可能性を検討している

※最終レポートの詳細は、Japan tax alert 2015年10月20日号PDFをご覧ください。
※BEPSのプロジェクトの勧告は、各国の法案に徐々に採択されています。国別の行動計画の動向は、こちらから検索可能です。